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音声合成で多聴を

音声合成とは
音声合成(英語ではText-to-Speech)とは、テクストを人工の音声によって読み上げさせるものだ。ロボットの音声と言ってもよい。おそらく30年ぐらい前のSFドラマなどに登場するロボットの音声は、いかにも機械が発しているという感じのするものが多かったが、現在はそれほど違和感なく聴くことができるまで発展してきた。人の声を素に作成するようになったためであろう。

Windows上で音声合成を聴くために必要な準備
しかし、残念ながら、音声合成を聴くことは、まだ人口に膾炙していないようだ。Windows 10では、音声合成エンジンとして、日本語ではHaruka、英語ではZiraが標準で搭載されている。それ以外の音声合成エンジンは、基本的に有料となる。10年ぐらい前は促音の発音が不自然であったが、現在は違和感なく聴くことができるものになっている。

そのほか、テクストを読み上げるための音声合成ソフトウェア(読み上げソフトウェア)が必要になる。現在は、無料で提供されているPanopreter Basicを利用している。多言語に対応しており、速度を調節することができるのが特徴だ。また、MicrosoftのOfficeやアマゾンのKindleにも読み上げ機能がある。

Kindleを利用して洋書を音声合成で聴く場合の注意
Kindleを利用して洋書を音声合成で聴くと、多聴が可能になるのではないかと思う。英会話の学習にも適しているかもしれない。ただし、注意点がある。初期設定では音声合成としてHarukaが選択されているため、英語らしい英語で読み上げてくれない。そのため、音声合成をZiraに切り替えなければならない。操作方法は以下の通りだ。

スタート・ボタン→Windowsシステムツール→コントロールパネル→コンピューターの簡単操作→音声認識→音声合成の順に進む。音声の選択の欄でHarukaが選択されているので、クリックしてZiraに切り替える。読み上げ機能開始は「Ctrl+T」だ。Zira以外の音声合成を利用したい場合や速度を調節したい場合は、Kindle上のテクストを頁単位などでコピーして音声合成ソフトウェアにペイストする必要があるようだ。

これで、英語らしい英語を聴くことができるようになる。音声合成は、視覚障害者にとって非常に有用なトゥールのはずであり、もっと簡単に利用することができるようになることを期待したい。

Android上でKindleを利用して洋書を音声合成で聴く場合の注意
Android上でも同様のことができるが、やはり一定の操作が必要だ。まず、設定→ユーザー補助→「サービス|TalkBack」と進み、スイッチをタップしてONにする。これは、本来、視覚障害者のソフトウェアなので、ONになっている間、その用に供するため、タップと同様の効果を得るためにはタップ→ダブル・タップという操作が、スワイプと同様の効果を得るためには2本指でのスワイプが必要になる。次いで、設定→詳細設定→言語と文字入力→「システム言語と地域|言語と地域」と進み、言語の欄で日本語が選択されているので、タップ(タップ→ダブル・タップ)してEnglish (US)などを選択する。最後に、Kindleを起動し、1〜2回タップする。

(2018年3月2日執筆、2024年8月5日掲載)

Windows 11での変更点
Windows 11にアップグレイドしてから初めて音声合成を利用し、以下の気付きがあった。

Windows 11にもコントロールパネルに音声合成の項目はあるが、効いていないようだ。スタートメニュー→設定→アクセシビリティ→ナレーターの順に進むとよいようだ。そして、「ナレーターを使用する」にあるナレーターをONにするとともに、「ナレーターの音声」にある音声をZiraに切り替える。必ずその後にKindleを起動する。

Android上では、設定→ユーザー補助→TalkBackと進み、スイッチをタップしてONにするとよいようだ。Android上の音声合成の方がスピードが早いので、主にこちらを利用しようと考えている。

(2021年11月23日執筆、2024年8月5日掲載)

その後の気付き
Windowsの日本語環境では速度調整が非常に難しいようだ。Microsoftには早く問題を認識してもらいたいが、当面はAndroidに頼るのが得策のようだ。

Android上での速度調整は、設定→ユーザー補助→テキスト読み上げの設定と進み、音声の速度のスライド・バーを操作して行う。

(2022年5月5日執筆、2024年8月5日掲載)

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